平成の高校生の流行は3つの時期で変わる

平成の高校生の流行は、連絡の道具がポケベル、携帯電話、スマホと変わるのに合わせて、3つの時期に分けて見るのが分かりやすい方法です。この記事では、初期を1989〜1996年度、中期を1997〜2007年度、後期を2008年度から平成が終わる2019年4月までとしています。

平成は1989年から2019年までの約30年

平成は1989年1月8日に始まり、2019年4月30日に終わりました。総務省の『令和元年版 情報通信白書』は、平成の携帯の歩みを、ポケベルが広がった時期、1993〜1998年ごろの携帯電話の急速な普及、1999〜2008年ごろのガラケーの全盛期、2008年以降のスマホの時代に分けて振り返っています。

高校生の流行も、この道具の移り変わりと深く結びついています。連絡の取り方が変わると、写真の残し方や友だちとの遊び方まで一緒に変わったからです。

高校生だった年度から今の年齢が分かる

自分の高校時代が平成のどのあたりかは、高校生だった年度で確かめられます。2026年10月時点の年齢の目安は次のとおりです。

高校生だった年度から今の年齢が分かるの表

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高校生だった年度から今の年齢が分かるの表
高校生だった年度西暦今の年齢の目安
平成元年度1989年度52〜55歳
平成4年度1992年度49〜52歳
平成8年度1996年度45〜48歳
平成12年度2000年度41〜44歳
平成16年度2004年度37〜40歳
平成20年度2008年度33〜36歳
平成25年度2013年度28〜31歳
平成30年度2018年度23〜26歳

その年度に高校1〜3年生だった人の年齢の幅で、早生まれや誕生日の前後を含めています。浪人や留年は考えていません。

記録が多く残るのは女子高生の流行

平成の高校生の流行は、資料の多くが女子高生を主役に書いています。流行語の解説やプリクラのメーカー、たまごっちを出したバンダイの説明も、女子高生の様子が中心です。

男子の流行では、学生服メーカーのカンコー学生服が記録した1990年代半ばの「腰パン」や、1991年に高校生を中心にした若者の間で流行した「ダンス甲子園」が残っています。2014年の都立高校の調査でも、ゲーム系のSNSは男子の利用が多いという違いが出ていました。

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平成初期(1989〜1996年度)の高校生の流行

平成初期の後半、1994〜1996年度ごろの高校生の流行は、ポケベル、ルーズソックス、プリクラ、たまごっちに代表されます。ポケベルとルーズソックスは1995〜1996年、プリクラとたまごっちは1996〜1997年ごろに大きく盛り上がりました。初期の前半では、1991年に「ダンス甲子園」が高校生を中心にした若者の間で流行しています。

ポケベル|数字の語呂合わせで気持ちを送る

ポケベルは、1987年に数字を表示できるようになり、「49(至急)」「4649(よろしく)」「114106(愛してる)」のような語呂合わせが女子高生をはじめとする若い世代に広がりました。メッセージを送るには押しボタン式の電話が必要で、公衆電話に列ができる光景も見られました。

1994年にカタカナを送れるようになると、女子高生などの利用がさらに増えたと総務省の報告書は伝えています。全国の契約数がいちばん多かったのは、1995〜1996年ごろです。ほかの語呂合わせの例(428=渋谷など)は、ポケベル暗号の図鑑ページで紹介しています。

ルーズソックスとアムラー|1996年の流行語

ルーズソックスは、1996年の新語・流行語大賞でトップテンに選ばれました。解説は、ソックスのゴムを抜いただけのものが女子高生の足元に大ブームを起こし、女子高校生の多くが履く圧倒的な流行になったと伝えています。

同じ年には、超ミニスカートと厚底ブーツの「アムラー」、女子高校生言葉の「チョベリバ/チョベリグ」もトップテン入りしました。カンコー学生服によると、ルーズソックスは1990年代初頭から2000年代まで約10年流行し、校則で禁止する学校が増えると紺色のハイソックスに移りました。詳しくはルーズソックスの図鑑ページにまとめています。

プリクラ|1995年に登場した写真シール

プリクラの1号機「プリント倶楽部」は、1995年7月25日に発売されました。1997年6月末には累計で約22,000台が出荷され、1998年には全身を撮れる機種が女子高校生を中心に大流行しています。

撮ったシールを手帳に貼る「プリ帳」作りやシール交換が定着し、メーカーのフリューはプリクラを当時の女子高校生に欠かせない交流の道具だったと振り返っています。メディア環境学者の久保友香さんの見方では、プリクラの登場で、友だちと分けたシールやプリ帳を通じて、普通の女の子が会ったことのない人にも顔を見られるようになりました。プリクラ機の図鑑ページとプリクラ帳の図鑑ページもあわせてどうぞ。

たまごっち|スクールバッグに着けて世話

たまごっちは、1996年11月23日に発売された携帯型のデジタルペットです。バンダイは、ボールチェーンの付いた形で売り出した結果、多くの女子高生がスクールバッグに着けて世話をする光景が見られたと説明しています。

発売から1年たたずに国内外で1,000万個が売れ、1997年の新語・流行語大賞でトップテンに入りました。女子高生がバッグに着けて持ち歩いたことも、ブームが目に見える形で広がった一因です。たまごっちの図鑑ページでは、初代の見分け方も紹介しています。

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平成中期(1997〜2007年度)の高校生の流行

平成中期は、ポケベルから携帯電話へ移り、メールと写真で友だちとつながった時代です。渋谷を中心にしたギャル文化も、この時期に大きく広がりました。

ポケベルから携帯電話への乗り換えは、全国の契約数の動きにはっきり表れています。

平成中期(1997〜2007年度)の高校生の流行の一覧

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平成中期(1997〜2007年度)の高校生の流行の一覧
年度末ポケベル携帯電話PHS
1994年度935万433万—
1995年度1,061万1,020万151万
1996年度1,007万2,088万603万
1997年度712万3,153万673万
1998年度377万4,153万578万

総務省の『令和元年版 情報通信白書』の図表にある、全国・全年齢の各年度末(翌年3月末)の契約数です。1995年度末のPHSは総務省の契約数の推移表の数字で、単位は万件、1万未満を四捨五入しています。

PHSと携帯メール|ポケベルからの乗り換え

1995年に始まったPHSは、ポケベルに代わって若い世代にも広がったと白書は説明しています。1997年にはNTTドコモが携帯電話のショートメールを始め、すぐに返事ができる携帯への乗り換えが進みました。

2004年には、高校生の多くが携帯を持つようになっています。ベネッセが2004年11〜12月に高校1年生2,458人と2年生2,683人にアンケートした調査では、携帯電話(PHSを含む)を持つ人はそれぞれ92.5%と93.0%で、持っている人のうち友だちに1日1回以上メールする人は93.4%でした。高校生の連絡は、電話より文字が中心になっていました。PHSの図鑑ページもあわせてどうぞ。

iモードと絵文字|1999年から広がった

1999年2月にNTTドコモのiモードが始まり、携帯からインターネットのメールやサイトを使えるようになりました。同じ年には「iモード」が新語・流行語大賞のトップテンに選ばれ、ドコモはメール用の絵文字も作りました。

東京大学の橋元良明教授(当時)は、2019年の総務省の報告書で、言葉の外の気持ちを読み取る文化が強いことが、日本で絵文字が発達した理由ではないかと分析しています。絵文字はのちに「デコメール」などへ広がりました。iモードとデコメの図鑑ページで、当時の画面の特徴を確かめられます。

写メール|2000年に始まった写真付きメール

写真付きメールの「写メール」は、J-フォンが2000年11月1日にシャープ製の「J-SH04」を発売したことで始まりました。撮った写真をその場でメールに付けて送れる携帯で、2003年には100万画素の機種も登場しています。

メディア環境学者の久保友香さんは、2000年ごろの写メで「今の自分よりきれいな顔を写そう」という意識が始まったと説明しています。プリクラで分け合った写真が、携帯で送り合う写真へと広がった時期です。ガラケーの図鑑ページでは、当時の携帯の見分け方を紹介しています。

ガングロとパラパラ|渋谷のギャル文化

SHIBUYA109は1995年から女子高生に狙いを絞って約6年かけて改装し、人気店の店員は「カリスマ店員」と呼ばれました。1999年には「カリスマ」が、2000年には「パラパラ」が新語・流行語大賞のトップテンに入り、パラパラの解説にはガングロギャルの姿が出てきます。

日焼けした肌と派手なメイクのガングロは、渋谷を中心にした平成中期のギャル文化を象徴するスタイルです。SHIBUYA109とガングロメイクの図鑑ページで、当時の様子をたどれます。

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平成後期(2008年度以降)の高校生の流行

平成後期は、高校生の携帯がスマホに切り替わり、LINEやInstagramで写真と言葉を共有する時代です。切り替わりは2012〜2013年度に一気に進みました。

高校生の携帯の中身がスマホに変わった速さは、内閣府の調査の数字に表れています。

平成後期(2008年度以降)の高校生の流行の一覧

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平成後期(2008年度以降)の高校生の流行の一覧
年度携帯を持つ高校生そのうちスマホ
2010年度97.1%3.9%
2011年度95.6%7.2%
2012年度98.1%55.9%
2013年度97.2%82.8%

内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」で、2010〜2013年度に高校生へ調査員が個別に面接して聞いた結果です。スマホの割合は、携帯を持つ高校生332〜545人が母数です。

スマホへの切り替え|2012〜2013年度に急増

国内では2008年にiPhone 3Gが発売され、2011年には「スマホ」が新語・流行語大賞のトップテンに選ばれました。その解説には、2011年夏に携帯電話の販売台数の半分以上をスマホが占めたとあります。

高校生の間でも、2012年度に携帯を持つ人の半分以上がスマホになり、翌年度には8割を超えました。それまでのガラケーのメール文化から、アプリで写真や動画を送り合う文化へ移った節目です。

LINEとTwitter|2010年代の連絡手段

LINEは2011年6月23日に始まり、同じ年の10月に無料通話とスタンプが加わりました。2010年には「〜なう」が新語・流行語大賞のトップテンに入っていて、Twitterの言い回しが広く知られるようになっています。

総務省情報通信政策研究所と東京大学が2014年1月に都立高校154校の生徒に無記名の質問紙で聞き、15,191票を集めた調査では、LINEを使っている生徒は85.5%、Twitterは66.9%でした。LINEやTwitterは女子の利用が多く、ゲーム系のSNSは男子の利用が多いという違いもありました。LINEの図鑑ページもあわせてどうぞ。

インスタ映えとタピオカ|2017〜2019年

2017年には「インスタ映え」が新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれ、写真を投稿して見せ合う楽しみ方が広がりました。同じ年の女子中高生の流行語でも、アプリ部門にInstagramが選ばれています。

SHIBUYA109 lab.が15〜24歳を対象に選ぶトレンド大賞では、2018年はタピオカとチーズドッグがフードで1位、ウエストポーチがファッションで1位でした。翌2019年には、タピオカが殿堂入りしています。

制服はひざ丈とスポーツミックスへ

カンコー学生服によると、制服の着崩しは2000年代半ばに落ち着き、清楚でスーツのようなデザインと、洗いやすさなどの機能が重んじられるようになりました。2010年代半ばには、ひざ丈のスカートに短い靴下、スニーカー、リュックを合わせる「スポーツミックス」が広がっています。

カンコー学生服の研究所が2019年3月に女子中高生600人へアンケートした調査では、好まれる靴下の長さは10cmほどが最多でした。ルーズソックスの時代と比べると、足元の流行は大きく変わっています。

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今の高校生に広がる平成レトロ

平成の高校生の流行の一部は、2020年代の高校生の間でも「平成レトロ」として再び楽しまれています。若い世代の調査で人気が確かめられるのは、15〜24歳のトレンドに選ばれたルーズソックスと、女子中高生の流行語になったシール帳で、たまごっちもZ世代を中心に人気が戻りました。

ルーズソックスが2022年に再び注目

SHIBUYA109 lab.が15〜24歳を対象に選ぶトレンド大賞で、ルーズソックスは2022年のファッション部門5位に入りました。同じ年には、2000年前後の雰囲気をまとう「Y2K」も7位に選ばれています。

同研究所は、2022年以降はY2Kや懐かしいアイテムが復活し、シンプルな着こなしと行き来していると分析しています。親世代には懐かしい足元も、今の10代には新しいおしゃれです。

シール帳と平成プリが女子中高生に人気

AMFが2025年12月に発表した「JC・JK流行語大賞2025」では、モノ部門の1位が「シール帳」でした。全国の女子中高生約1,000人へのアンケートと調査隊の評価で選ばれ、理由には平成女児の再ブームでシール帳が大流行したことが挙げられています。

プリクラでも、フリューが2026年3〜6月に平成中期の「姫組」と平成後期の「THECANDYSTUDIO」を今の機種で再現する企画を行いました。プリ帳やシール交換で写真を見せ合った平成の遊びが、形を変えて今の中高生に受け継がれています。

たまごっちの第四次ブーム

バンダイは2022年、初代などの欧米版「Original Tamagotchi」を日本でも発売し、たまごっちに触れたことのないZ世代を中心に、ファッションアイテムとして人気が出ました。2024年は平成レトロの追い風を受けた「第四次ブーム」とされています。

2025年7月には国内外の累計出荷が1億個を超え、2026年11月23日が発売30周年です。平成初期に女子高生がスクールバッグに着けていたたまごっちは、30年たって再び若い世代の持ち物になっています。

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まとめ

平成の高校生の流行は、初期のポケベル・ルーズソックス・プリクラ・たまごっち、中期の携帯メール・写メール・ギャル文化、後期のスマホ・LINE・インスタ映えと、連絡の道具とともに移り変わりました。どの時期も、連絡の道具が変わると、写真の残し方や遊び方まで一緒に変わっています。

その一部は、ルーズソックスやシール帳、たまごっちとして今の高校生にも広がっています。まずは早見表で自分の時期を確かめ、気になった品の図鑑ページで当時の様子をたどってみてください。

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参考資料

個別の品やサービスの発売時期は、各図鑑ページで項目ごとに出典を示します。

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